- 歌の意味
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私を思いやるあなたの心はよく見えて、橋の上では、その心と月の光とが競い合っていたのだなあ。
- 鑑賞
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雑歌 1158
詞書「返し」
前歌の西行の歌に対する西住の返歌である。私を思いやってくれるあなたの心はよくわかった、橋の上では、その心と月の光とが競い合っていたのだなあ、と応えている。
西行の歌の結句「月の影のみ」をそのまま結句に用い、「争ふものは」を「争ひけりな」と受けて、贈答の呼応を明確にしている。都にいる西住も、高野の橋の上の月と友の思いとを、目に見えるように思い浮かべている。西住は西行の同行として長く行動をともにした僧である。
初句「思ひやる」は、遠く思いを馳せる、の意で、西行が自分を思う心を指す。
二句「心は見えて」は、その心はよく見えて、わかって、の意である。
三句「橋の上に」は、前歌と同じ三句を用いて、奥の院の橋の上を示している。
四句「争ひけりな」の「けり」は気づきの詠嘆、「な」は詠嘆の終助詞で、競い合っていたのだなあ、の意である。前歌の「争ふものは」を受けている。
結句「月の影のみ」は、前歌の結句をそのまま受けた体言止めである。
おもひやる:遠く離れた人や所に思いを馳せる
- 作者
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西住
- 出典
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山家集
- 前の歌
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こととなく君恋ひわたる橋の上に 争ふものは月の影のみ
- 次の歌
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鹿の音や心ならねばとまるらん さらでは野辺をみな見するかな