古典和歌stream

隙もなく降り来る雨の脚よりも
数限りなき君が御代かな

歌の意味
絶え間なく降ってくる雨脚の数よりも、さらに数限りなく続くわが君の御代であることよ。
鑑賞
雑歌 1170

詞書「祝ひ」
 祝いの歌の一首である。絶え間なく降り注ぐ雨脚の数よりも、さらに数限りなく続く、わが君の御代であることよ、と詠む。
 雨脚の数を数えきれないものの比喩として用い、君の治世の長久を祝っている。以下、「祝ひ」の題のもとに、さまざまな景物に託して君の長寿や治世の永続を寿ぐ歌が続く。

 初句「隙もなく」は、絶え間もなく、の意である。
 二句「降り来る雨の」は、降ってくる雨の、の意である。
 三句「脚よりも」の「雨の脚」は、筋のように見える雨の降るさまで、その数よりも、の意を表す。
 四句「数限りなき」は、数に限りのない、の意である。
 結句「君が御代かな」の「御代」は君の治世、「かな」は詠嘆の終助詞で、祝意を込めて結ぶ。

あめのあし:筋のように降り注ぐ雨
みよ:天皇の治世
作者
西行
出典
山家集
前の歌
山吹の花咲く井手の里こそは やしうゐたりと思はざらなん
次の歌
千世経べきものをさながら集むとも 君が齢を知らんものかは