古典和歌stream

君が世は天つ空なる星なれや
数も知られぬ心地のみして

歌の意味
わが君の御代は、大空の星なのだろうか。数も知れないほど限りない心地ばかりがして。
鑑賞
雑歌 1177

詞書は前の歌に続き「祝ひ」
 わが君の御代は、大空の星なのだろうか、数え知ることのできないほど限りないと感じられる、と詠む。
 無数の星を、数えきれないほど続く御代の象徴として用いている。本巻の第千百七十首で雨脚の数に御代の長さをたとえたのに対し、ここでは天の星を用いており、地上の雨と天上の星とが対をなしている。

 初句「君が世は」は、わが君の御代は、の意である。
 二句「天つ空なる」は、大空にある、の意で、「つ」は「の」の意の格助詞である。
 三句「星なれや」の「や」は疑問で、星であろうか、の意を表し、三句切れとなる。
 四句「数も知られぬ」は、数も知ることができない、の意で、「れ」は可能の助動詞である。
 結句「心地のみして」は、そういう心地ばかりがして、の意で、倒置によって星にたとえた理由を示している。

あまつそら:大空、天
作者
西行
出典
山家集
前の歌
君が世のためしに何を思はまし 変はらぬ松の色なかりせば
次の歌
光さす三笠の山の朝日こそ げに万代のためしなりけれ