竹の色も君が緑に染められて
いくよともなく久しかるべし
- 歌の意味
-
竹の色も、わが君の変わらぬ緑に染められて、幾世とも数えきれないほど久しく続くにちがいない。
- 鑑賞
-
雑歌 1182
詞書は前の歌に続き「祝ひ」
竹の色も、わが君の常緑の松のような変わらぬ緑に染められて、幾世とも数えられないほど久しく続くにちがいない、と詠む。
竹もまた常緑で、松と並ぶめでたい植物である。「いくよ」に「幾世」と竹の節間をいう「節」とを掛け、竹の縁で長久を言っている。本巻の第千百四十七首でも竹の柱の「よ」が詠まれていた。
初句「竹の色も」は、竹の緑色も、の意で、字余りとなっている。
二句「君が緑に」は、わが君の変わらぬ緑に、の意で、君の長寿を常緑にたとえている。
三句「染められて」は、染め上げられて、の意である。
四句「いくよともなく」の「いくよ」は、「幾世」と、竹の節と節の間をいう「節」とを掛けた掛詞である。
結句「久しかるべし」の「べし」は推量の助動詞で、久しく続くにちがいない、と結ぶ。
いくよ:「幾世」と、竹の節間をいう「節(よ)」を掛ける
- 作者
-
西行
- 出典
-
山家集
- 前の歌
-
若葉さす平野の松はさらにまた 枝に八千代の数を添ふらん
- 次の歌
-
千世経べき二葉の松の生ひ先を 見る人いかに嬉しかるらん