君がため五葉の子の日しつるかな
たびたび千代を経べきしるしに
- 歌の意味
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あなたのために五葉の松で子の日の遊びをしたことだ。幾度も千年を重ねて生きられるしるしとして。
- 鑑賞
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雑歌 1184
詞書「五葉の下に、二葉なる小松どもの侍りけるを、子の日に当たりける日、折櫃に引き植ゑて、京へ遣はすとて」
五葉の松の下に二葉の小松がいくつも生えていたのを、ちょうど子の日に当たった日に引いて折櫃に植え、京へ贈るときに添えた一首である。あなたのために五葉の松で子の日の小松引きをしたことだ、幾度も千年を重ねて生きられるしるしとして、と詠む。
五葉の松は葉が五本ずつ束生する松で、珍重された。子の日の小松引きの風習に、五葉の「五」と「たびたび」とを重ね、五度も千年を経るほどの長寿を祝う機知の歌と見られる。次の第千百八十五首と一組で贈られている。
初句「君がため」は、あなたのために、の意である。
二句「五葉の子の日」は、五葉の松で行う子の日の小松引き、の意である。本文は「こえふ」とあり、五葉の意に解する。
三句「しつるかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、したことだ、と三句切れとなる。
四句「たびたび千代を」は、幾度も千年を、の意で、五葉の「五」の数を響かせている。
結句「経べきしるしに」は、経るであろうしるしとして、の意で、倒置によって小松を贈る意味を示している。
ごえふ:五葉の松。葉が五本ずつ束になって生える松
をりびつ:檜の薄板を折り曲げて作った箱
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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千世経べき二葉の松の生ひ先を 見る人いかに嬉しかるらん
- 次の歌
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子の日する野辺の我こそ主なるを 五葉なしとて引く人のなき