風立たで波を収むる浦々に
小貝を群れて拾ふなりけり
- 歌の意味
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風も立たずに波の静まっている浦々で、人々は群れをなして小貝を拾うのであったよ。
- 鑑賞
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雑歌 1189
詞書「内に貝合はせせんとせさせ給ひけるに、人に代はりて」
宮中で貝合わせを催されることになり、人に代わって詠んだ一首である。風も立たず波の穏やかな浦々で、人々が群れをなして小貝を拾っている、と詠む。
風が立たず波が収まっている浦の様子に、天下の泰平を重ね、穏やかな御代のもとで貝を拾う人々の姿を描いて、催しを祝っている。以下、貝合わせのための歌が続き、各地の浜と貝の名とを詠み込んだ連作となっている。
初句「風立たで」の「で」は打消の接続助詞で、風が立たずに、の意である。
二句「波を収むる」は、波が静まっている、の意で、世の平穏を響かせている。
三句「浦々に」は、あちこちの浦で、の意である。
四句「小貝を群れて」は、小さな貝を群れをなして、の意である。
結句「拾ふなりけり」の「けり」は詠嘆で、拾うのであったよ、と結ぶ。
かひあはせ:貝を持ち寄って優劣を競う遊び
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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行く末の名にやながれん常よりも 月澄みわたる白河の水
- 次の歌
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難波潟潮干は群れて出で立たん 白洲の崎の小貝拾ひに