難波潟潮干は群れて出で立たん
白洲の崎の小貝拾ひに
- 歌の意味
-
難波潟では、潮の引いた時には群れをなして出かけよう。白洲の崎の小貝を拾いに。
- 鑑賞
-
雑歌 1190
詞書は前の歌に続き「内に貝合はせせんとせさせ給ひけるに、人に代はりて」
難波潟では、潮が引いたら皆で群れをなして出かけよう、白洲の崎の小貝を拾いに、と詠む。
難波潟は摂津の歌枕で、干潟の広がる海辺である。貝合わせのために、潮干の浜へ貝を拾いに出かける人々の心弾む様子を描いている。前歌の「群れて」を受け、浜の名を変えて貝拾いの情景を続けている。
初句「難波潟」は、摂津国の干潟で、歌枕である。
二句「潮干は群れて」は、潮が引いたときは群れをなして、の意で、前歌の「群れて」を受けている。
三句「出で立たん」の「ん」は意志の助動詞で、出かけよう、の意を表し、三句切れとなる。
四句「白洲の崎の」は、白い砂の洲の岬の、の意である。
結句「小貝拾ひに」は、小さな貝を拾いに、の意で、倒置によって出かける目的を示している。
しほひ:潮が引くこと、またその時
- 作者
-
西行
- 出典
-
山家集
- 前の歌
-
風立たで波を収むる浦々に 小貝を群れて拾ふなりけり
- 次の歌
-
風吹けば花咲く波のをるたびに 桜貝寄る三島江の浦