潮染むるますほの小貝拾ふとて
色の浜とは言ふにやあるらん
- 歌の意味
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潮が赤く染めるますほの小貝を拾うということで、色の浜と言うのであろうか。
- 鑑賞
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雑歌 1194
詞書は前の歌に続き「内に貝合はせせんとせさせ給ひけるに、人に代はりて」
潮が赤く染め上げたようなますほの小貝を拾うところだから、色の浜と言うのであろうか、と詠む。
色の浜は越前国敦賀の浜で、ますほの小貝と呼ばれる薄紅色の小さな貝で知られる。浜の名の「色」の由来を、色づいた小貝に求めた機知の歌である。のちに松尾芭蕉がこの地を訪れ、西行のこの歌を慕って句を残している。
初句「潮染むる」は、潮が染め上げる、の意で、貝の色づきを潮のしわざと見ている。
二句「ますほの小貝」の「ますほ」は、赤い色の土、あるいは赤い色の意で、薄紅色の小さな貝を指す。
三句「拾ふとて」は、拾うということで、の意である。
四句「色の浜とは」は、越前国の色の浜という名は、の意である。
結句「言ふにやあるらん」の「や」は疑問の係助詞で、連体形「らん」で結び、言うのであろうか、と推し量っている。
ますほ:赤い色。ますほの小貝は薄紅色の小さな貝
いろのはま:越前国敦賀の浜
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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波かくる吹上の浜の簾貝 風もぞ下ろす急ぎ拾はん
- 次の歌
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波伏する竹の泊りの雀貝 嬉しきよにも逢ひにけるかな