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波寄する白良の浜の烏貝
拾ひやすくも思ほゆるかな

歌の意味
波の寄せる白良の浜の烏貝は、白い浜に黒く目立って、拾いやすく思われることよ。
鑑賞
雑歌 1196

詞書は前の歌に続き「内に貝合はせせんとせさせ給ひけるに、人に代はりて」
 波の寄せる白良の浜の烏貝は、拾いやすく思われることだ、と詠む。
 白良の浜は紀伊国の白い砂浜で知られる歌枕である。白い浜に黒い烏貝が目立って見つけやすいという、白と黒の色の対比が一首の機知となっている。地名の「白」と貝の名の「烏」とを対照させた趣向である。

 初句「波寄する」は、波が打ち寄せる、の意である。
 二句「白良の浜の」は、紀伊国の白良の浜の、の意で、白い砂浜を示す。
 三句「烏貝」は黒い色の貝の名で、「白良」と色の対比をなしている。
 四句「拾ひやすくも」は、拾いやすく、の意で、白地に黒が目立つことを理由としている。
 結句「思ほゆるかな」の「思ほゆ」は、自然と思われる意、「かな」は詠嘆の終助詞である。

しららのはま:紀伊国の白い砂浜。歌枕
からすがひ:黒い色の貝
作者
西行
出典
山家集
前の歌
波伏する竹の泊りの雀貝 嬉しきよにも逢ひにけるかな
次の歌
かひありな君が御袖に覆はれて 心にあはぬこともなき世は