山深み槙の葉分くる月影は
はげしきものの凄きなりけり
- 歌の意味
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山が深いので、槙の葉を分けて差し込む月の光は、鋭く激しいもので、ぞっとするほど寂しいものであったよ。
- 鑑賞
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雑歌 1199
詞書は前の歌に続き「入道寂然、大原に住み侍りけるに、高野より遣はしける」
十首の連作の二首目である。山が深いので、茂った槙の葉を分けて差し込んでくる月の光は、鋭く激しく、ぞっとするほど寂しいものだ、と詠む。
深山の月を、優美なものではなく、厳しく凄みのあるものとして捉えている点に、山中に住む者ならではの実感がある。寂然の第千二百九首では大原の月が清水に澄むさまが詠まれ、高野の凄みのある月と大原の澄んだ月とが対照をなしている。
初句「山深み」は、山が深いので、の意で、連作に共通する初句である。
二句「槙の葉分くる」は、槙の葉を分けて差し込む、の意で、「槙」は杉や檜などの常緑の良木の総称である。
三句「月影は」は、月の光は、の意である。
四句「はげしきものの」は、鋭く激しいもので、の意である。
結句「凄きなりけり」の「すごし」は、ぞっとするほど寂しい意、「けり」は気づきの詠嘆である。
まき:杉や檜などの常緑の良木の総称
すごし:ぞっとするほど寂しい
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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山深みさこそあらめと聞こえつつ 音あはれなる谷の川水
- 次の歌
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山深み窓のつれづれ訪ふものは 色づき初むる櫨の立ち枝