山深みほだ伐るなりと聞こえつつ
所にぎはふ斧の音かな
- 歌の意味
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山が深いので、薪を伐っているらしいと聞こえてきて、あたりをにぎわわせている斧の音であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1205
詞書は前の歌に続き「入道寂然、大原に住み侍りけるに、高野より遣はしける」
十首の連作の八首目である。山が深いので、どうやら薪を伐っているらしいと聞こえてきて、静かな山中をにぎわわせている斧の音であることよ、と詠む。
これまでの寂しく恐ろしい音とは異なり、人の営みを感じさせる斧の音が、山中にささやかなにぎわいをもたらしている。寂然の第千二百十五首では、薪にあけびを添えて帰る男の姿が詠まれ、山で木を伐る人の営みが両者に共通している。
初句「山深み」は、山が深いので、の意で、連作に共通する初句である。
二句「ほだ伐るなりと」の「ほだ」は薪にする木の切れ端、「なり」は音による推定の助動詞で、伐っているらしいと、の意である。
三句「聞こえつつ」は、聞こえてきて、の意である。
四句「所にぎはふ」は、あたりをにぎやかにする、の意である。
結句「斧の音かな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、人の営みの音で結ぶ。
ほだ:薪にする木の切れ端、榾
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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山深み木暗き峰の梢より ものものしくも渡る嵐か
- 次の歌
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山深み入りて見と見るものはみな あはれもよほすけしきなるかな