山深み入りて見と見るものはみな
あはれもよほすけしきなるかな
- 歌の意味
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山が深いので、分け入って目にするものはすべて、しみじみとした哀れを誘う景色であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1206
詞書は前の歌に続き「入道寂然、大原に住み侍りけるに、高野より遣はしける」
十首の連作の九首目である。山が深いので、分け入って見るものという見るものはすべて、しみじみとした哀れを誘う景色であることよ、と詠む。
これまでの八首で個々の景物を取り上げてきたのを受け、深山で目にするすべてのものが哀れを催す、と全体をまとめている。連作の終わり近くに置かれ、山中の景の総括となっている。
初句「山深み」は、山が深いので、の意で、連作に共通する初句である。
二句「入りて見と見る」は、分け入って見るものという見るもの、の意で、「見」の重出が、目に触れるすべてを強調している。
三句「ものはみな」は、ものはすべて、の意である。
四句「あはれもよほす」は、しみじみとした哀れを誘い起こす、の意である。
結句「けしきなるかな」の「かな」は詠嘆の終助詞である。
もよほす:誘い起こす、引き起こす
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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山深みほだ伐るなりと聞こえつつ 所にぎはふ斧の音かな
- 次の歌
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山深み馴るる鹿の気近さに 世に遠ざかるほどぞ知らるる