- 歌の意味
- 炭竈からたなびく煙が一筋であるように、ひたすらに心細いのは大原の里であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1210
詞書は前の歌に続き「返し」
寂然の十首の三首目である。炭竈からたなびく一筋の煙のように、ひたすら心細いのは大原の里だ、と詠む。
大原は炭焼きの里として知られ、本巻の第千四十七首でも良暹の炭竈の歌が踏まえられていた。細く立ちのぼる一筋の煙に、心細さを重ねている。「ひとすぢに」に、煙が一筋である意と、ひたすらにの意とを重ねている。
初句「炭竈の」は、炭を焼く竈の、の意である。
二句「たなびく煙」は、横に長く引く煙、の意である。
三句「ひとすぢに」は、煙が一筋である意と、ひたすらに、の意を重ねている。
四句「心細きは」は、心細いのは、の意で、煙の細さを響かせている。
結句「大原の里」は体言止めで、連作に共通する結句である。
すみがま:炭を焼く竈
たなびく:煙や霞が横に長く引く
- 作者
- 寂然
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- ひとりすむ朧の清水友とては 月をぞすます大原の里
- 次の歌
- なにとなく露ぞこぼるる秋の田に 引板引き鳴らす大原の里