ますらをが爪木にあけびさし添へて
暮るれば帰る大原の里
- 歌の意味
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屈強な男が、薪にあけびを差し添えて、日が暮れると帰ってくる大原の里であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1215
詞書は前の歌に続き「返し」
寂然の十首の八首目である。山で働く屈強な男が、背負った薪にあけびを差し添えて、日が暮れると帰ってくる大原の里だ、と詠む。
大原は薪や炭を都へ売りに行く人々の里でもあった。薪にあけびを添えて帰る男の姿に、素朴な山里の暮らしと、ささやかな秋の恵みとを描いている。西行の第千二百五首で薪を伐る斧の音が詠まれたのに応じ、薪を背負って帰る人の姿を詠んでいる。
初句「ますらをが」は、たくましい男が、の意である。
二句「爪木にあけび」の「爪木」は、薪にする小枝、「あけび」は秋に実る蔓性の植物の実である。字余りとなっている。
三句「さし添へて」は、差し添えて、の意である。
四句「暮るれば帰る」は、日が暮れると帰ってくる、の意である。
結句「大原の里」は体言止めで、連作に共通する結句である。
ますらを:たくましい男
つまぎ:薪にする小枝
- 作者
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寂然
- 出典
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山家集
- 前の歌
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山風に峰のささ栗はらはらと 庭に落ち敷く大原の里
- 次の歌
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葎はふ門は木の葉に埋もれて 人もさし来ぬ大原の里