- 歌の意味
- 葎の這う門は木の葉に埋もれて、人も訪れてこない大原の里であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1216
詞書は前の歌に続き「返し」
寂然の十首の九首目である。葎の這いまわる門は散り積もった木の葉に埋もれて、人も訪れてこない大原の里だ、と詠む。
葎の茂る門は、荒れた家の象徴として和歌に詠まれてきた。そこに木の葉が積もり、人の通った跡もない寂しさを描いている。西行の第千二百首で、訪れるのは櫨の枝ばかりと詠まれたのに応じ、訪れる人のない孤独を大原の側から詠んでいる。
初句「葎はふ」は、葎が這いまわる、の意で、荒れた住まいを示す。
二句「門は木の葉に」は、門は散った木の葉に、の意である。
三句「埋もれて」は、埋もれてしまって、の意である。
四句「人もさし来ぬ」は、人も訪れてこない、の意で、「さし」は接頭語である。
結句「大原の里」は体言止めで、連作に共通する結句である。
むぐら:荒れ地に生い茂る蔓草
- 作者
- 寂然
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- ますらをが爪木にあけびさし添へて 暮るれば帰る大原の里
- 次の歌
- もろともに秋も山路も深ければ しかぞ悲しき大原の里