もろともに秋も山路も深ければ
しかぞ悲しき大原の里
- 歌の意味
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秋も山路も、ともに深いので、鹿の声も悲しく、そのように悲しい大原の里であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1217
詞書は前の歌に続き「返し」
寂然の十首の十首目、最後の一首である。秋も深まり、山路も奥深いので、鹿の鳴く声が悲しく、そのように悲しいのが大原の里だ、と詠む。
「しか」に「鹿」と、そのように、の意の「然」とを掛け、深まる秋の山里の悲しさを、鹿の声に託して締めくくっている。西行の連作の最後の第千二百七首も鹿を詠んでおり、二つの連作の結びが鹿で呼応している。また初句「もろともに」には、秋と山路とがともに深いという意に、西行と寂然とがともに深山に住むという心も響いている。
初句「もろともに」は、ともに、一緒に、の意である。
二句「秋も山路も」は、秋の深まりも山路の深さも、の意である。
三句「深ければ」は、深いので、の意で、已然形に「ば」が付いた確定条件である。
四句「しかぞ悲しき」の「しか」は、「鹿」と、そのように、の意の「然」を掛けた掛詞で、「ぞ」は強意の係助詞として連体形「悲しき」と係り結びをなす。
結句「大原の里」は体言止めで、連作の最後の結句である。
しか:「鹿」と、そのようにの意の「然」を掛ける
- 作者
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寂然
- 出典
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山家集
- 前の歌
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葎はふ門は木の葉に埋もれて 人もさし来ぬ大原の里
- 次の歌
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絶えたりし君が御幸を待ちつけて 神いかばかり嬉しかるらん