君住まぬ御内は荒れて有栖川
忌む姿をも映しつるかな
- 歌の意味
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斎院がお住みにならない御所の内は荒れていて、有栖川は、忌むべき僧の姿までも映してしまったことよ。
- 鑑賞
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雑歌 1224
詞書「斎院下りさせ給ひて、本院の前を過ぎけるに、人の内へ入りければ、ゆかしく覚えて、具して見侍りけるに、かうやはありけんとあはれに覚えて、下りておはしましける所へ、宣旨の局のもとへ申し遣はしける」
斎院が退下されたのち、斎院の御所の前を通りかかると、人が中へ入っていったので、見たく思って一緒に入って見た。以前はこうであっただろうかと哀れに思い、退下された斎院のもとに仕える宣旨の局へ送った一首である。斎院がお住みにならない御所の内は荒れて、有栖川は、斎院では忌まれる僧の姿までも映してしまったことだ、と詠む。
かつては神聖で近づきがたかった斎院の御所が、主を失って荒れ、僧である自分までが入り込んで有栖川にその姿を映していることに、時の移ろいの哀れを感じている。次の第千二百二十五首の宣旨の局の返歌と一組をなす。
初句「君住まぬ」は、斎院がお住みにならない、の意である。
二句「御内は荒れて」は、御所の内は荒れて、の意である。
三句「有栖川」は、斎院の御所の近くを流れた川である。
四句「忌む姿をも」は、斎院では忌み嫌われる僧の姿までも、の意である。
結句「映しつるかな」は、有栖川が映してしまったことよ、の意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。
ありすがは:斎院の御所の近くを流れた川
みうち:御所の内
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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榊葉に心をかけん木綿四手て 思へば神も仏なりけり
- 次の歌
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思ひきや忌みこし人のつてにして 馴れし御内に聞かんものとは