いつかまたいつきの宮のいつかれて
標の御内に塵を払はん
- 歌の意味
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いつかまた斎宮の御所に斎王が大切に迎えられて、注連縄を張った御所の内の塵を払い清めることがあるだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 1226
詞書「伊勢に斎王おはしまさで、年経にけり、斎宮、木立ばかりさかと見えて、築垣もなきやうになりたりけるを見て」
伊勢に斎王が置かれないまま年月が経ち、斎宮の御所は木立ばかりがそれらしく見えるだけで、築垣もないほどに荒れ果てていたのを見て詠んだ一首である。いつかまた斎宮の御所に斎王が大切に迎えられ、注連縄を張った御所の内の塵を払い清めることがあるだろうか、と詠む。
「いつか」「いつき」「いつかれ」と「いつ」の音を重ねる技巧によって、斎王の再来を願う切実な思いを表している。前の二首で賀茂の斎院の荒廃を詠んだのに続き、ここでは伊勢の斎宮の荒廃を詠んでおり、賀茂と伊勢の二つの斎王の御所をめぐる歌が並んでいる。
初句「いつかまた」は、いつかまた再び、の意である。
二句「いつきの宮の」の「いつきの宮」は、伊勢の斎宮のことで、初句の「いつか」と音を重ねている。
三句「いつかれて」は、大切に祀られ、かしずかれて、の意で、さらに「いつ」の音を重ねている。
四句「標の御内に」は、注連縄を張った神聖な御所の内に、の意である。
結句「塵を払はん」の「ん」は推量の助動詞で、塵を払い清めることがあるだろうか、と結ぶ。
いつきのみや:伊勢神宮に奉仕する斎王の御所、斎宮
いつく:大切に祀る、かしずく
しめ:神域を示すために張る縄
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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思ひきや忌みこし人のつてにして 馴れし御内に聞かんものとは
- 次の歌
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かかる世に影も変はらず澄む月を 見る我が身さへ恨めしきかな