幻の夢をうつつに見る人は
目も合はせでや世を明かすらん
- 歌の意味
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幻のような夢を現実として見ている人は、まぶたも合わせずに夜を明かしているのだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 1233
詞書は前の歌に続き「これもついでに具して参らせける」
前歌とともに崇徳院のもとへ奉った一首である。幻のような悪夢を現実として体験している人は、眠ることもできず、まぶたも合わせないまま夜を明かしているのだろうか、と詠む。
夢であってほしいような配流の境遇を、現実として生きる院の苦しみを思いやっている。「夢」と「うつつ」、眠らずに「世を明かす」ことを対比させ、眠れぬ夜を過ごす院の姿を描いている。「世」には夜を響かせている。
初句「幻の」は、幻のような、はかない、の意である。
二句「夢をうつつに」は、夢を現実として、の意で、夢であってほしいことを現実に体験するさまを表す。
三句「見る人は」は、そのように見ている人は、の意で、崇徳院を指す。
四句「目も合はせでや」の「で」は打消の接続助詞、「や」は疑問の係助詞で、まぶたも合わせずに、の意を表す。
結句「世を明かすらん」の「世」は「夜」を響かせ、「らん」は現在推量の助動詞で、夜を明かしているのだろうか、と結ぶ。
うつつ:現実
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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ながらへてつひに住むべき都かは この世はよしやとてもかくても
- 次の歌
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その日より落つる涙を形見にて 思ひ忘るる時の間もなし