その日より落つる涙を形見にて
思ひ忘るる時の間もなし
- 歌の意味
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あの日から流れ落ちる涙を形見として、思い忘れるほんのわずかな時もない。
- 鑑賞
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雑歌 1234
詞書「かくて後、人の参りけるにつけて参らせける」
その後、讃岐へ参る人がいたのに託して崇徳院のもとへ奉った一首である。院が都を去られたあの日から流れ落ちる涙を形見として、院を思い忘れるわずかな時もない、と詠む。
別れの日以来、涙そのものを院の形見として、絶えず院を思い続けていることを伝えている。形見の品ではなく、自らの涙を形見とする表現に、悲しみの深さが表れている。次の第千二百三十五首から三首の女房の返歌が続く。
初句「その日より」は、院が都を去られたあの日から、の意である。
二句「落つる涙を」は、流れ落ちる涙を、の意である。
三句「形見にて」は、思い出のよすがとして、の意である。
四句「思ひ忘るる」は、思い忘れる、の意である。
結句「時の間もなし」は、ほんのわずかな時もない、の意で、絶えず思い続けていることを示している。
かたみ:思い出のよすがとなるもの
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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幻の夢をうつつに見る人は 目も合はせでや世を明かすらん
- 次の歌
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目の前に変はり果てにし世の憂さに 涙を君に流しけるかな