- 歌の意味
- 波の立つように騒ぐ心の水を静めながら、やがて咲くであろう蓮の花を、今は待つことよ。
- 鑑賞
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雑歌 1237
詞書は前の歌に続き「返し」
女房の返歌の三首目である。波が立つように乱れ騒ぐ心の水を静めながら、やがて咲くであろう極楽の蓮の花を、今はひたすら待っている、と詠む。
前歌の蓮の池を受け、心を静めて往生の時を待つ境地を表している。乱れた心の水が静まれば、そこに蓮が咲くという仏教的な比喩によって、院が心の平安を得て来世を待つさまを伝えている。
初句「波の立つ」は、波が立つように、の意で、心の乱れを表す。
二句「心の水を」は、心を水にたとえた表現である。
三句「しづめつつ」は、静めながら、の意である。
四句「咲かん蓮を」は、やがて咲くであろう蓮の花を、の意で、往生の象徴である。
結句「今は待つかな」は、今はひたすら待つことよ、の意で、「かな」は詠嘆の終助詞である。
はちす:蓮。極楽往生の象徴
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 松山の涙は海に深くなりて 蓮の池に入れよとぞ思ふ
- 次の歌
- 山深み杖にすがりて入る人の 心の奥の恥づかしきかな