山深み杖にすがりて入る人の
心の奥の恥づかしきかな
- 歌の意味
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山が深いので、杖にすがって分け入ってゆく老人の、その心の奥の深さには頭が下がることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1238
詞書「老人述懐と云ふ事を人々よみけるに」
人々が「老人述懐」という題で歌を詠んだ折の一首である。山が深いのに、杖にすがりながら分け入ってゆく老人の、その心の奥の深さには、こちらが恥ずかしくなるほど頭が下がる、と詠む。
老いの身を押して仏道修行のために深山へ入る人の、道心の深さを讃えている。「山深み」と「心の奥」とを対応させ、山の深さと心の深さとを重ねている。題の「述懐」を、自らの老いの嘆きではなく、老いてなお道を求める人への敬意として詠んでいる。
初句「山深み」は、山が深いので、の意である。
二句「杖にすがりて」は、杖を頼りにして、の意で、老人の姿を表す。
三句「入る人の」は、山に分け入ってゆく人の、の意である。
四句「心の奥の」は、心の奥深いところの、の意で、初句の山の深さと対応している。
結句「恥づかしきかな」の「恥づかし」は、相手が立派でこちらが気後れする意、「かな」は詠嘆の終助詞である。
はづかし:相手が立派でこちらが気後れするほどである
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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波の立つ心の水をしづめつつ 咲かん蓮を今は待つかな
- 次の歌
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花ならぬ言の葉なれどおのづから 色もやあると君拾はなん