世を捨てて入りにし道の言の葉ぞ
あはれも深き色も見えける
- 歌の意味
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世を捨てて入った仏道の人の言の葉であるからこそ、しみじみとした哀れも深く、色つやも見えることだ。
- 鑑賞
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雑歌 1240
詞書「返し」
前歌の西行の歌に対する藤原俊成の返歌である。世を捨てて仏道に入ったあなたの歌であるからこそ、しみじみとした哀れも深く、その色つやも見えることだ、と応えている。
西行の「花ならぬ」という謙遜に対し、遁世者の歌にこそ深い哀れと美しさがあると讃えている。俊成は西行の歌を高く評価し、千載和歌集には西行の歌が多く採られた。西行の歌の本質を、世を捨てた者ならではの深い情趣に見た評言として、この返歌は意義深い。
初句「世を捨てて」は、世俗を捨てて、の意である。
二句「入りにし道の」は、入った仏道の、の意で、「にし」は完了と過去の助動詞である。
三句「言の葉ぞ」の「ぞ」は強意の係助詞で、結句の連体形「ける」で結ぶ係り結びとなる。前歌の「言の葉」を受けている。
四句「あはれも深き」は、しみじみとした情趣も深い、の意である。
結句「色も見えける」は、色つやも見えることだ、の意で、前歌の「色もやある」に答えている。
ことのは:言葉、和歌
- 作者
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藤原俊成
- 出典
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山家集
- 前の歌
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花ならぬ言の葉なれどおのづから 色もやあると君拾はなん
- 次の歌
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思ひあまり言ひ出でしこそ池水の 深き心のほどは知られめ