思ひあまり言ひ出でしこそ池水の
深き心のほどは知られめ
- 歌の意味
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思いに堪えきれずに口に出して言ったからこそ、池の水のように深い私の心のほども、あなたに知られることだろう。
- 鑑賞
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雑歌 1241
詞書「恋百十首」
恋の百十首の連作の一首目である。思いを胸に収めきれずに口に出して打ち明けたからこそ、池の水のように深い私の心のほども、あなたに知られることだろう、と詠む。
秘めた思いがあふれて告白に至る、恋の始まりを詠んでいる。以下、第千三百五十首まで、恋の百十首が続き、忍ぶ恋から逢う恋、恨む恋へと、恋のさまざまな局面が詠まれてゆく。「池水の」は「深き」を導く比喩となっている。
初句「思ひあまり」は、思いを抑えきれずに、の意で、字余りとなっている。
二句「言ひ出でしこそ」は、口に出して言ったからこそ、の意で、「こそ」は強意の係助詞として結句の已然形「め」と係り結びをなす。本文は「いひ出てし」とある。
三句「池水の」は、池の水のように、の意で、「深き」を導く比喩である。
四句「深き心の」は、深い思いの、の意である。
結句「ほどは知られめ」の「め」は推量の助動詞「む」の已然形で、ほども知られることだろう、と結ぶ。
おもひあまる:思いを抑えきれなくなる
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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世を捨てて入りにし道の言の葉ぞ あはれも深き色も見えける
- 次の歌
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なき名こそ飾磨の市にたちにけれ まだ逢ひ初めぬ恋するものを