- 歌の意味
- 心の中では忍んでいると思っている甲斐もなく、はっきりと表れてしまうのは、恋の涙であったよ。
- 鑑賞
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雑歌 1247
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
心の中では忍んでいるつもりでも、その甲斐もなく、はっきりと表れてしまうのは恋の涙であった、と詠む。
前歌で打ち明けまいと決意したのに、心はどうあれ、涙だけは隠しようがないことに気づいている。本巻の第千二百四十三首と同じく、涙が忍ぶ恋を露わにしてしまうという主題である。
初句「心には」は、心の中では、の意である。
二句「忍ぶと思ふ」は、忍んでいると思う、の意である。
三句「かひもなく」は、その甲斐もなく、の意である。
四句「しるきは恋の」の「しるし」は、はっきり表れている意である。
結句「涙なりけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、涙であったのだなあ、と結ぶ。
しるし:はっきりしている、目立つ
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- けしきをばあやめて人の咎むとも うちまかせては言はじとぞ思ふ
- 次の歌
- 色に出でていつより物は思ふぞと 問ふ人あらほいかが答へん