みさをなる涙なりせば唐衣
かけても人に知られましやは
- 歌の意味
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もし涙が平然と落ち着いたものであったならば、唐衣の袖に掛けても、少しも人に知られることがあっただろうか。
- 鑑賞
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雑歌 1251
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
もし涙が取り乱さずに落ち着いたものであったならば、唐衣の袖に涙がかかっても、少しでも人に知られることがあっただろうか、と詠む。
恋の涙が激しく流れるからこそ人に知られてしまうのであって、涙が平静であれば知られることはなかった、と涙を恨んでいる。「唐衣」から「掛け」を導き、衣に涙がかかる意と、少しも、の意とを重ねている。
初句「みさをなる」は、平然として取り乱さない、の意である。
二句「涙なりせば」の「せば」は反実仮想の条件で、涙であったならば、の意である。
三句「唐衣」は、中国風の美しい衣で、「掛け」を導いている。
四句「かけても人に」の「かけて」は、衣に涙が掛かる意と、少しも、決して、の意を重ねている。
結句「知られましやは」の「まし」は反実仮想、「やは」は反語で、知られただろうか、いや知られなかった、と結ぶ。
みさをなり:平然として取り乱さない
からころも:中国風の美しい衣
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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憂き身とて忍ばば恋の忍ばれて 人の名立てになりもこそすれ
- 次の歌
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嘆きあまり筆のすさみに尽くせども 思ふばかりは書かれざりけり