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我が嘆く心のうちの苦しさも
何にたとへて君に知られん

歌の意味
私が嘆く心の内の苦しさも、何にたとえてあなたに知ってもらえばよいのだろう。
鑑賞
雑歌 1253

詞書は前の歌に続き「恋百十首」
 私が嘆いている心の中の苦しさも、何にたとえたらあなたに知ってもらえるのだろう、と詠む。
 前歌で書き尽くせないと嘆いたのを受け、たとえによってさえ伝えられないもどかしさを詠んでいる。恋の苦しみの深さは、どのような比喩をもってしても表しきれないのである。

 初句「我が嘆く」は、私が嘆いている、の意である。
 二句「心のうちの」は、心の中の、の意である。
 三句「苦しさも」は、苦しさも、の意で、前歌の書き尽くせない思いに加えて、の含みを持つ。
 四句「何にたとへて」は、何にたとえて、の意である。
 結句「君に知られん」の「れ」は受身の助動詞、「ん」は推量の助動詞で、あなたに知ってもらえるだろうか、と結ぶ。

たとふ:比べ合わせる、たとえる
作者
西行
出典
山家集
前の歌
嘆きあまり筆のすさみに尽くせども 思ふばかりは書かれざりけり
次の歌
今はただ忍ぶ心ぞつつまれぬ 嘆かば人や思ひ知るとて