さるほどの契りは君にありながら
ゆかぬ心の苦しきやなぞ
- 歌の意味
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それほどの深い契りはあなたとの間にありながら、満ち足りない心がこうも苦しいのはなぜだろう。
- 鑑賞
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雑歌 1259
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
あなたとの間にはそれほど深い契りがありながら、満ち足りない心がこうも苦しいのはなぜなのだろう、と詠む。
契りを交わして逢う仲となったのに、なお心が満たされず苦しいという、恋の尽きない渇きを詠んでいる。逢う恋の段階に入ってもなお続く、恋の悩みの深さが表れている。
初句「さるほどの」は、それほどの、の意である。
二句「契りは君に」は、あなたとの契りは、の意である。
三句「ありながら」は、ありながらも、の意である。
四句「ゆかぬ心の」の「ゆく」は、満足する、心が晴れる意で、満ち足りない心の、の意を表す。
結句「苦しきやなぞ」の「なぞ」は、なぜ、どうして、の意で、苦しいのはなぜか、と自問している。
ゆく:満足する、心が晴れる
ちぎり:約束、男女の縁
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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いかにせんその五月雨の名残より やがて小止まぬ袖の雫を
- 次の歌
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今はさは覚えぬ夢になし果てて 人に語らでやみねとぞ思ふ