折る人の手にはとまらで梅の花
誰が移り香にならんとすらん
- 歌の意味
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折る人の手にはとどまらないで、梅の花は、いったい誰の移り香になろうとしているのだろう。
- 鑑賞
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雑歌 1261
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
折る人の手にはとどまらずに、梅の花はいったい誰の袖の移り香になろうとしているのだろう、と詠む。
恋しい人を梅の花にたとえ、自分のものにしようとしても手に入らず、ほかの誰かのものになってしまうのではないかという不安を詠んでいる。本巻の第千二百五十五首でも、折れない梅の香の甲斐のなさが詠まれていた。
初句「折る人の」は、枝を折る人の、の意で、恋を得ようとする者を指す。
二句「手にはとまらで」の「で」は打消の接続助詞で、手にはとどまらずに、の意である。
三句「梅の花」は、恋しい人のたとえである。
四句「誰が移り香に」は、誰の移り香に、の意である。
結句「ならんとすらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、なろうとしているのだろう、と結ぶ。
うつりが:衣などに移り残った香り
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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今はさは覚えぬ夢になし果てて 人に語らでやみねとぞ思ふ
- 次の歌
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うたた寝の夢を厭ひし床の上に 今朝いかばかり起き憂かるらん