うたた寝の夢を厭ひし床の上に
今朝いかばかり起き憂かるらん
- 歌の意味
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うたた寝の夢さえ嫌って、恋しい人を待っていた床の上で、逢瀬の後の今朝は、どれほど起きるのがつらいことだろう。
- 鑑賞
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雑歌 1262
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
かつては恋しい人を待ちわびて、うたた寝の夢さえ嫌った床の上であるが、逢瀬を遂げた今朝は、どれほど起きて別れるのがつらいことだろう、と詠む。
逢えない頃は夢さえ嫌って待ち続けた床が、逢えた今は離れがたい床となったという、恋の段階の変化を対比している。後朝の別れのつらさを、過去と現在との対照によって際立たせている。
初句「うたた寝の」は、仮眠の、の意である。
二句「夢を厭ひし」は、夢を嫌った、の意で、待つ間のはかない夢を嫌ったことを示す。
三句「床の上に」は、寝床の上で、の意である。
四句「今朝いかばかり」は、逢瀬の後の今朝はどれほど、の意である。
結句「起き憂かるらん」の「起き憂し」は、起きるのがつらい意、「らん」は現在推量の助動詞である。
うたたね:仮眠、まどろみ
おきうし:起きるのがつらい
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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折る人の手にはとまらで梅の花 誰が移り香にならんとすらん
- 次の歌
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ひきかへて嬉しかるらん心にも 憂かりしことは忘れざらなん