ひきかへて嬉しかるらん心にも
憂かりしことは忘れざらなん
- 歌の意味
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今までとはうって変わって嬉しいであろう心にも、つらかった頃のことは忘れないでいてほしい。
- 鑑賞
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雑歌 1263
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
思いが叶って、今までとはうって変わって嬉しいであろうあなたの心にも、つらかった頃のことは忘れないでいてほしい、と詠む。
恋が成就した喜びの中にあって、かつてのつらい思いを忘れずにいてほしいと願う心である。苦しみを経てこそ得た恋の喜びを大切にしたいという思いが表れている。
初句「ひきかへて」は、うって変わって、の意である。
二句「嬉しかるらん」の「らん」は現在推量の助動詞で、嬉しいであろう、の意である。
三句「心にも」は、その心にも、の意である。
四句「憂かりしことは」は、つらかったことは、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形である。
結句「忘れざらなん」の「なん」は他者への願望の終助詞で、忘れないでいてほしい、と結ぶ。
ひきかふ:すっかり変える
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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うたた寝の夢を厭ひし床の上に 今朝いかばかり起き憂かるらん
- 次の歌
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七夕は逢ふを嬉しと思ふらん 我は別れの憂き今宵かな