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同じくは咲き初めしより標置きて
人に折られぬ花と思はん

歌の意味
どうせなら、咲きはじめた時から標を張っておいて、他人に折られない花だと思うことにしよう。
鑑賞
雑歌 1265

詞書は前の歌に続き「恋百十首」
 どうせ思うのなら、咲きはじめた時から自分のものとして標を張っておいて、他人には折られない花だと思うことにしよう、と詠む。
 恋しい人を花にたとえ、早くから自分のものと決めて、他人に奪われないようにしたいという独占の願いを詠んでいる。前の第千二百六十一首で、梅の花が誰の移り香になるかと不安がったのに対し、ここでは初めから標を張って守ろうとしている。

 初句「同じくは」は、同じことならば、どうせなら、の意である。
 二句「咲き初めしより」は、咲きはじめた時から、の意である。
 三句「標置きて」の「標」は、自分の領有を示すために張る縄、しるしの意である。
 四句「人に折られぬ」は、他人に折られない、の意である。
 結句「花と思はん」の「ん」は意志の助動詞で、花だと思うことにしよう、と結ぶ。

しめ:領有を示すために張る縄、しるし
作者
西行
出典
山家集
前の歌
七夕は逢ふを嬉しと思ふらん 我は別れの憂き今宵かな
次の歌
朝露に濡れにし袖を干すほどに やがて夕立つ我が袂かな