- 歌の意味
- 包み隠しても人に知られる恋なのだろうか。大井川の堰の隙間をくぐって漏れる白波のように。
- 鑑賞
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雑歌 1268
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
どれほど包み隠しても人に知られてしまう恋なのだろうか、大井川の堰の隙間をくぐって漏れ出る白波のように、と詠む。
堰き止めても隙間から漏れ出る水に、隠しても漏れてしまう恋をたとえている。大井川は山城国嵯峨の川で、歌枕である。「包む」と「堰」とが、ともに内に押しとどめる意で照応している。
初句「包めども」の「ども」は逆接で、包み隠しても、の意である。
二句「人知る恋や」の「や」は疑問で、人に知られる恋なのだろうか、の意を表す。
三句「大井川」は、山城国嵯峨の川で、歌枕である。
四句「堰の隙を」は、水をせき止める堰の隙間を、の意である。
結句「潜る白波」は体言止めで、隙間をくぐって漏れる白波に、隠しきれない恋をたとえている。
ゐせき:川の水をせき止める設備
おほゐがは:山城国嵯峨の川。歌枕
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 待ちかねて夢に見ゆやとまどろめば 寝覚めすすむる荻の上風
- 次の歌
- 逢ふまでの命もがなと思ひしに 悔しかりける我が心かな