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いつかはと答へんことのねたきかな
思ひ知らずと恨み聞かせば

歌の意味
いつかはそうしたかと答えることがいまいましいことだ。私の思いを知らないと、恨み言を聞かせたならば。
鑑賞
雑歌 1271

詞書は前の歌に続き「恋百十首」
 私の思いを分かってくれないと恨み言を聞かせたら、あの人に、いつ私がそんなことをしたかと言い返されるだろう、それがいまいましい、と詠む。
 恨みを伝えても、相手にとぼけられてしまうことを予想して悔しがる心である。恋の駆け引きの中での、もどかしさと悔しさとが表れている。

 初句「いつかはと」は、いつ私がそうしたかと、の意で、相手の言い返しを想定している。
 二句「答へんことの」は、答えるであろうことが、の意である。
 三句「ねたきかな」の「ねたし」は、いまいましい、悔しい意で、「かな」は詠嘆の終助詞として三句切れとなる。
 四句「思ひ知らずと」は、私の思いを分かってくれないと、の意である。
 結句「恨み聞かせば」は、恨み言を聞かせたならば、の意で、倒置によって条件を示している。

ねたし:いまいましい、悔しい
作者
西行
出典
山家集
前の歌
今よりは逢はで物をば思ふとも 後憂き人に身をばまかせじ
次の歌
袖の上の人目知られし折までは みさをなりける我が涙かな