あはれとて人の心の情けあれな
数ならぬにはよらぬ嘆きを
- 歌の意味
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かわいそうにと、あの人の心に情けがあってほしい。取るに足りない身だからというわけではないこの嘆きを。
- 鑑賞
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雑歌 1276
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
かわいそうにと思って、あの人の心に情けがあってほしい、私が取るに足りない身だからというのではない、この嘆きに対して、と詠む。
身分の低さや取るに足りなさが恋の障害なのではなく、ただ恋そのものゆえの嘆きなのだから、せめて情けをかけてほしいと訴えている。恋の苦しみを相手の同情に訴える切なる願いである。
初句「あはれとて」は、かわいそうにと思って、の意である。
二句「人の心の」は、あの人の心の、の意である。
三句「情けあれな」の「な」は願望の終助詞で、情けがあってほしい、の意を表し、三句切れとなる。
四句「数ならぬには」は、取るに足りない身であることには、の意である。
結句「よらぬ嘆きを」は、よらない嘆きを、の意で、倒置によって情けを求める対象を示している。
かずならぬ:取るに足りない
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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草しげみ沢にぬはれて伏す鴫の いかによそだつ人の心ぞ
- 次の歌
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いかにせん憂き名をば世に立て果てて 思ひも知らぬ人の心を