いかにせん憂き名をば世に立て果てて
思ひも知らぬ人の心を
- 歌の意味
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どうしたらよいのだろう。つらい浮名をすっかり世間に立ててしまって、それでも私の思いを知らないあの人の心を。
- 鑑賞
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雑歌 1277
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
どうしたらよいのだろう、恋のためにつらい浮名を世間にすっかり立ててしまったのに、それでも私の思いを分かってくれないあの人の心を、と詠む。
浮名が立つほどに恋をしていながら、肝心の相手には思いが通じないという理不尽さを嘆いている。世間には知られても、相手には知られないという、恋の皮肉が表れている。
初句「いかにせん」は、どうしたらよいだろう、と嘆く初句切れである。
二句「憂き名をば世に」は、つらい浮名を世間に、の意で、字余りとなっている。
三句「立て果てて」は、すっかり立ててしまって、の意である。
四句「思ひも知らぬ」は、私の思いも分かってくれない、の意である。
結句「人の心を」は、あの人の心を、の意で、倒置によって初句の目的語を示している。
うきな:つらい評判、浮名
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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あはれとて人の心の情けあれな 数ならぬにはよらぬ嘆きを
- 次の歌
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忘られんことをばかねて思ひにき 何驚かす涙なるらん