つらからん人ゆゑ身をば恨みじと
思ひしことも叶はざりけり
- 歌の意味
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冷たいであろう人のために、自分の身を恨むまいと思っていたことさえ、かなわなかったことだ。
- 鑑賞
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雑歌 1280
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
冷たい仕打ちをするであろう人のために、我が身を恨むことはすまいと決めていたのに、その決意さえかなわなかった、と詠む。
相手のつれなさを、自分の不運として恨むまいと心に決めていたが、結局は我が身を恨んでしまうという心の弱さを詠んでいる。前歌に続き、疎遠になった恋の嘆きである。
初句「つらからん」の「ん」は推量の助動詞の連体形で、冷たいであろう、の意である。
二句「人ゆゑ身をば」は、その人のために我が身を、の意である。
三句「恨みじと」の「じ」は打消意志の助動詞で、恨むまいと、の意である。
四句「思ひしことも」は、思っていたことさえも、の意である。
結句「叶はざりけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、かなわなかったことだ、と結ぶ。
つらし:薄情である、冷たい
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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訪はれぬも訪はぬ心のつれなさも 憂きは変はらぬ心地こそすれ
- 次の歌
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今さらに何かは人も咎むべき 初めて濡るる袂ならねば