わりなしな袖に嘆きの満つままに
命をのみも厭ふ心は
- 歌の意味
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どうにもならないことだ。袖に嘆きの涙が満ちるにつれて、命ばかりを厭わしく思う心は。
- 鑑賞
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雑歌 1282
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
どうにもならないことだ、袖に嘆きの涙が満ちてゆくにつれて、ひたすら命ばかりを厭わしく思うようになるこの心は、と詠む。
恋の嘆きが深まるにつれ、生きていることさえ厭わしくなるという、恋の苦しみの極みを詠んでいる。本巻の第千二百四十四首と同じく初句を「わりなし」で始め、恋のどうにもならなさを嘆いている。
初句「わりなしな」は、どうにもならないことだ、と嘆く初句切れである。
二句「袖に嘆きの」は、袖に嘆きの涙が、の意である。
三句「満つままに」は、満ちてゆくにつれて、の意である。
四句「命をのみも」は、命ばかりを、の意である。
結句「厭ふ心は」は、厭わしく思う心は、の意で、倒置によって嘆きの対象を示している。
わりなし:どうにもならない
いとふ:嫌う、厭わしく思う
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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今さらに何かは人も咎むべき 初めて濡るる袂ならねば
- 次の歌
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色深き涙の川の水上は 人を忘れぬ心なりけり