夜もすがら恨みを袖に湛ふれば
枕に波の音ぞ聞こゆる
- 歌の意味
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一晩中、恨みの涙を袖にいっぱいにたたえていると、枕もとに波の音が聞こえてくる。
- 鑑賞
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雑歌 1287
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
一晩中、恨みの涙を袖にいっぱいにたたえていると、枕もとに波の音が聞こえてくる、と詠む。
あふれるほどの涙を袖にたたえた水に見立て、その水が波立つ音が枕に聞こえるという誇張によって、恨みの深さを表している。「恨み」に「浦見」を響かせ、波の縁を作っていると見られる。
初句「夜もすがら」は、一晩中、の意である。
二句「恨みを袖に」は、恨みの涙を袖に、の意で、「恨み」に「浦見」を響かせている。
三句「湛ふれば」は、いっぱいにたたえると、の意で、已然形に「ば」が付いた確定条件である。
四句「枕に波の」は、枕もとに波の、の意である。
結句「音ぞ聞こゆる」の「ぞ」は強意の係助詞で、連体形「聞こゆる」と係り結びをなす。
よもすがら:一晩中
たたふ:水などをいっぱいに満たす
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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言の葉の霜枯れにしに思ひにき 事の情けもかからましとは
- 次の歌
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ながらへて人のまことを見るべきに 恋に命の絶えんものかは