おのづからありへばとこそ思ひつれ
頼みなくなる我が命かな
- 歌の意味
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生き長らえていれば、自然とよいこともあるだろうと思っていたが、頼みにもならなくなってゆく我が命であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1292
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
生き長らえていれば、いつか自然と恋も叶うだろうと思っていたのに、その命さえ頼みにならなくなってゆく、と詠む。
時が解決してくれると期待していたが、恋の苦しみに命も細ってゆき、待つことさえできなくなるという絶望を詠んでいる。前の第千二百八十八首で、真心を見届けるまで生きようとしたのとは対照的な心境である。
初句「おのづから」は、自然と、ひとりでに、の意である。
二句「ありへばとこそ」の「ありふ」は生き長らえる意で、「こそ」は強意の係助詞として三句の已然形「つれ」と係り結びをなす。
三句「思ひつれ」は、思っていたが、の意で、逆接で下の句に続き、三句切れとなる。
四句「頼みなくなる」は、頼みにならなくなる、の意である。本文は「憑なく」と表記している。
結句「我が命かな」の「かな」は詠嘆の終助詞である。
ありふ:生き長らえる、年月を過ごす
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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かりそめに置く露とこそ思ひしか あきに逢ひぬる我が袂かな
- 次の歌
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身をも厭ひ人のつらさも嘆かれて 思ひ数ある頃にもあるかな