- 歌の意味
- 我が身を厭い、あの人の冷たさも嘆かれて、物思いの数の多いこの頃であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1293
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
我が身を厭わしく思い、あの人の冷たさも嘆かずにはいられず、思い悩むことの数が多いこの頃であることよ、と詠む。
自分を責める思いと、相手を恨む思いとが重なり、物思いが尽きない日々を詠んでいる。「身」と「人」、「厭ひ」と「嘆かれ」とを対にして、恋に悩む心の二重の苦しさを表している。
初句「身をも厭ひ」は、我が身をも厭わしく思い、の意で、字余りとなっている。
二句「人のつらさも」は、あの人の冷たさも、の意である。
三句「嘆かれて」の「れ」は自発の助動詞で、自然と嘆かれて、の意である。
四句「思ひ数ある」は、物思いの数が多い、の意である。
結句「頃にもあるかな」の「かな」は詠嘆の終助詞で、この頃であることよ、と結ぶ。
いとふ:嫌う、厭わしく思う
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- おのづからありへばとこそ思ひつれ 頼みなくなる我が命かな
- 次の歌
- 菅の根の長く物をば思はじと 手向けし神に祈りしものを