うちとけてまどろまばやは唐衣
夜な夜な返すかひもあるべき
- 歌の意味
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心を許してまどろむことができるならば、唐衣を夜ごと裏返して寝る甲斐もあるだろうに。
- 鑑賞
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雑歌 1295
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
安心してまどろむことができるのならば、夢で逢えるようにと、唐衣を夜ごとに裏返して寝る甲斐もあろうに、と詠む。
衣を裏返して寝ると恋しい人を夢に見られるという俗信を踏まえ、そもそも恋の悩みで眠れないので、その甲斐もないことを嘆いている。眠れないほどの恋の苦しみが表れている。
初句「うちとけて」は、心を許して、安心して、の意である。
二句「まどろまばやは」の「やは」は反語で、まどろむならば、の意に、まどろめないという含みを持たせている。
三句「唐衣」は、美しい衣で、「返す」と縁を持つ。
四句「夜な夜な返す」は、夜ごとに裏返す、の意で、夢で逢うための俗信を踏まえている。
結句「かひもあるべき」は、甲斐もあるだろうに、の意である。
からころも:中国風の美しい衣
まどろむ:うとうとする
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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菅の根の長く物をば思はじと 手向けし神に祈りしものを
- 次の歌
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我がつらきことにをなさんおのづから 人目を思ふ心ありやと