- 歌の意味
- 草の葉ではない袂でも、物思いをすると、袖に露が置く、秋の夕暮れであることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1299
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
草の葉ではない私の袂でも、物思いをすれば、袖に露が置く、秋の夕暮れには、と詠む。
露は本来草の葉に置くものであるが、物思いをする者の袖にも涙の露が置くという見立てである。秋の夕暮れは物思いのつのる時刻であり、その寂しさの中で流す涙を露に重ねている。
初句「草の葉に」は、草の葉では、の意である。
二句「あらぬ袂も」は、ない袂も、の意で、草の葉ではない袂も、の意を表す。
三句「物思へば」は、物思いをすると、の意である。
四句「袖に露置く」は、袖に露が置く、の意で、涙をたとえている。
結句「秋の夕暮」は体言止めで、物思いのつのる時刻を余韻として残している。
あきのゆふぐれ:秋の夕暮れ。物思いのつのる時とされた
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- 物思ふ袖に嘆きの丈見えて 忍ぶ知らぬは涙なりけり
- 次の歌
- 逢ふ事のなき病にて恋ひ死なば さすがに人やあはれと思はん