逢ふ事のなき病にて恋ひ死なば
さすがに人やあはれと思はん
- 歌の意味
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逢うことのできない恋の病で恋い死にしたならば、さすがにあの人も哀れと思うだろうか。
- 鑑賞
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雑歌 1300
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
逢うことのできない恋の病で、もし恋い死にしてしまったならば、つれないあの人も、さすがに哀れと思ってくれるだろうか、と詠む。
死によってしか相手の同情を得られないのかという、切なくも悲しい想像である。恋い死にという誇張の中に、せめて死後にでも思いを知ってほしいという願いが込められている。
初句「逢ふ事の」は、逢うことの、の意である。
二句「なき病にて」は、ない病で、の意で、逢えないことを恋の病としている。
三句「恋ひ死なば」は、恋い死にしたならば、の意で、未然形に「ば」が付いた仮定条件である。
四句「さすがに人や」の「さすがに」は、そうはいっても、やはり、の意で、「や」は疑問の係助詞である。
結句「あはれと思はん」は「や」の結びとして連体形で、哀れと思うだろうか、と結ぶ。
こひじぬ:恋のために死ぬ
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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草の葉にあらぬ袂も物思へば 袖に露置く秋の夕暮
- 次の歌
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いかにぞや言ひやりたりし方もなく 物を思ひて過ぐる頃かな