いかにぞや言ひやりたりし方もなく
物を思ひて過ぐる頃かな
- 歌の意味
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どうしたことか。思いを言い送ったその甲斐もなく、物思いをしながら過ぎてゆくこの頃であることよ。
- 鑑賞
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雑歌 1301
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
どうしたことだろう、思いを言い送ったものの、何の手応えもなく、ただ物思いをしながら日々が過ぎてゆく、と詠む。
手紙を送っても返事がなく、宙に浮いたような状態で物思いの日々を過ごす、恋の停滞を詠んでいる。初句の「いかにぞや」に、どうにもならない戸惑いが表れている。
初句「いかにぞや」は、どうしたことか、と自問する初句切れである。
二句「言ひやりたりし」は、言い送った、の意で、「し」は過去の助動詞「き」の連体形であり、字余りとなっている。
三句「方もなく」は、手応えもなく、何の甲斐もなく、の意である。
四句「物を思ひて」は、物思いをして、の意である。
結句「過ぐる頃かな」の「かな」は詠嘆の終助詞である。
いひやる:言い送る、手紙で伝える
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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逢ふ事のなき病にて恋ひ死なば さすがに人やあはれと思はん
- 次の歌
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我ばかり物思ふ人や又もあると 唐土までも尋ねてしかな