- 歌の意味
- 私ほどに物思いをする人が、ほかにもいるかと、唐土までも尋ねて行きたいものだ。
- 鑑賞
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雑歌 1302
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
私ほどに恋に思い悩む人が、ほかにもいるだろうかと、遠い唐土までも尋ねて行きたいものだ、と詠む。
自分の物思いが比類のないものだという思いを、唐土まで探しに行きたいという誇張によって表している。恋の苦しみの深さを、空間の広がりによって示した印象的な一首である。
初句「我ばかり」は、私ほどに、の意である。
二句「物思ふ人や」の「や」は疑問で、物思いをする人が、の意を表す。
三句「又もあると」は、ほかにもいるかと、の意で、字余りとなっている。
四句「唐土までも」は、遠い中国までも、の意である。
結句「尋ねてしかな」の「てしかな」は願望の終助詞で、尋ねて行きたいものだ、と結ぶ。
もろこし:中国の古称
てしかな:〜したいものだ、という願望を表す
- 作者
- 西行
- 出典
- 山家集
- 前の歌
- いかにぞや言ひやりたりし方もなく 物を思ひて過ぐる頃かな
- 次の歌
- 君に我いかばかりなる契りありて 二なく物を思ひ初めけん