君に我いかばかりなる契りありて
二なく物を思ひ初めけん
- 歌の意味
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あなたに対して、私はどれほど深い前世からの因縁があって、二つとないほど物思いをしはじめたのだろう。
- 鑑賞
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雑歌 1303
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
あなたとの間に、私はいったいどれほど深い前世からの因縁があって、このように比べるものもないほど思い悩みはじめたのだろう、と詠む。
恋の苦しみの深さを、前世からの因縁、宿縁に求めている。仏教的な宿世の思想を背景に、この恋が自らの意志を超えた定めであったことを感じている。
初句「君に我」は、あなたに対して私は、の意である。
二句「いかばかりなる」は、どれほどの、の意である。
三句「契りありて」の「契り」は、前世からの因縁の意で、字余りとなっている。
四句「二なく物を」は、二つとないほど物思いを、の意である。
結句「思ひ初めけん」の「けん」は過去の原因推量の助動詞で、しはじめたのだろう、と結ぶ。
ちぎり:前世からの因縁、宿縁
ふたなし:二つとない、比類ない
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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我ばかり物思ふ人や又もあると 唐土までも尋ねてしかな
- 次の歌
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さらぬだにもとの思ひの絶えぬ身に 嘆きを人の添ふるなりけり