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さらぬだにもとの思ひの絶えぬ身に
嘆きを人の添ふるなりけり

歌の意味
そうでなくても、もとからの物思いが絶えない身に、さらに嘆きをあの人が添えるのであったよ。
鑑賞
雑歌 1304

詞書は前の歌に続き「恋百十首」
 そうでなくても、もとからの物思いが絶えることのない身であるのに、あの人がさらに嘆きを添えるのであった、と詠む。
 世の憂さなど、もとより物思いの多い身に、恋の嘆きが加わる苦しさを詠んでいる。「さらぬだに」で、すでにある苦しみに新たな苦しみが重なることを強調している。

 初句「さらぬだに」は、そうでなくてさえ、の意である。
 二句「もとの思ひの」は、もとからの物思いの、の意である。
 三句「絶えぬ身に」は、絶えることのない身に、の意である。
 四句「嘆きを人の」は、嘆きをあの人が、の意である。
 結句「添ふるなりけり」の「けり」は気づきの詠嘆で、添えるのであったよ、と結ぶ。

さらぬだに:そうでなくてさえ
作者
西行
出典
山家集
前の歌
君に我いかばかりなる契りありて 二なく物を思ひ初めけん
次の歌
我のみぞ我が心をばいとほしむ あはれぶ人のなきにつけても