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我のみぞ我が心をばいとほしむ
あはれぶ人のなきにつけても

歌の意味
私だけが、私の心をいとおしむことだ。哀れんでくれる人がいないにつけても。
鑑賞
雑歌 1305

詞書は前の歌に続き「恋百十首」
 哀れんでくれる人が誰もいないので、私だけが私の心をいとおしむことだ、と詠む。
 恋の苦しみを理解し同情してくれる人が誰もおらず、自分で自分を慰めるしかない孤独を詠んでいる。「我のみぞ我が心をば」と「我」を重ね、自らを抱きしめるような孤独感を表している。

 初句「我のみぞ」の「ぞ」は強意の係助詞で、三句の連体形「いとほしむ」で結ぶ係り結びとなる。
 二句「我が心をば」は、私の心を、の意で、初句の「我」を重ねている。
 三句「いとほしむ」は、いとおしく思う、かわいそうに思う、の意で、三句切れとなる。
 四句「あはれぶ人の」は、哀れんでくれる人が、の意である。
 結句「なきにつけても」は、いないにつけても、の意で、倒置によって理由を示している。

いとほしむ:いとおしく思う、かわいそうに思う
あはれぶ:哀れむ、同情する
作者
西行
出典
山家集
前の歌
さらぬだにもとの思ひの絶えぬ身に 嘆きを人の添ふるなりけり
次の歌
恨みじと思ふ我さへつらきかな 訪はで過ぎぬる心強さを