思へども思ふかひこそなかりけれ
思ひも知らぬ人を思へば
- 歌の意味
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思っても、思う甲斐がまるでないことだ。私の思いも知らない人を思っているので。
- 鑑賞
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雑歌 1315
詞書は前の歌に続き「恋百十首」
どれほど思っても、思う甲斐がまったくない、私の思いを知りもしない人を思っているのだから、と詠む。
「思ふ」を四度も重ねる技巧によって、報われない一方的な思いの堂々めぐりを表している。思えば思うほどむなしさが募る、片恋の苦しさが印象的に表現されている。
初句「思へども」の「ども」は逆接で、思っても、の意である。
二句「思ふかひこそ」の「こそ」は強意の係助詞で、三句の已然形「けれ」と係り結びをなす。
三句「なかりけれ」は、甲斐がないことだ、の意で、三句切れとなる。
四句「思ひも知らぬ」は、私の思いも知らない、の意である。
結句「人を思へば」は、その人を思っているので、の意で、倒置によって理由を示している。「思ふ」の反復が一首を貫いている。
かひ:甲斐、効果
- 作者
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西行
- 出典
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山家集
- 前の歌
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眺めこそ憂き身の癖になり果てて 夕暮ならぬ折もせらるれ
- 次の歌
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綾ひねるささめの小蓑衣に着ん 涙の雨もしのぎがてらに